地震観測

海洋地震観測は長年にわたり海底地震計に依存してきました。しかし海底地震計は設置・維持コストが高く、陸上観測に比べて観測網の範囲や密度が十分に確保できないという課題があります。

これに対し、長距離DAS(Distributed Acoustic Sensing)技術と、既存の広範な海底光ケーブル網(退役した海底通信ケーブルや、現役ケーブルに含まれる未使用の“ダークファイバ”を含む)を活用することで、高い空間サンプリング密度を備えた広域的な海洋地震観測ネットワークを構築することが可能になります。

海底通信ケーブルは、地盤変動に伴って発生するさまざまな海底弾性波(実体波・表面波)に対して高い感度を示し、点検知方式の海底地震計に比べて大幅なコスト優位性があります。記録によれば、海底ケーブルは数千キロメートル離れた場所で発生した地震を検知した例もあります。

さらに、地震は瞬間的に大きなエネルギーを放出し、小規模な地質構造と相互作用することで、反射波・屈折波・中間波など多様で豊富な信号を生成します。こうした自然地震由来の信号を効率的に用いてパッシブイメージングを行うことは、海底断層や堆積層などの重要な地質構造を明らかにするうえで極めて重要です。